写真展 遠野 2016 投稿者:Waka 投稿日:2016/08/02(Tue) 21:26 No.776
2016年7月16日から31日まで、遠野市蔵の道ギャラリーにて、写真展を開催しました。 前回2008年から実に8年ぶりの展覧会です。 遠野駅から徒歩3分の街中ですが、土蔵を改造したギャラリーのまわりは さわやかで伸びやかで、実に気に入りました
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:35 No.777 たまにはこんな盛況な感じになることもありました。 来場者数は、記名簿だけでざっと150名。過半数は開催を知らずにぶらりと立ち寄った 観光客、散歩の方です。 「たまたま」以外の最遠記録は岩手県野田村からいらした陶芸家の泉田之也さん一家です。 高速使っても3時間半はかかると思いますが、こんな一介のアマチュアのために 岩手を代表するプロがわざわざ足を運んでくださっただけでも満足すべきところですが 一点一点丹念に観覧され、深い示唆を与えていただきました。 (この写真の中には写っていません)
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:38 No.778 順を追って展示内容を再現します。 額装、タイトルプレートも重要な要素なので現物をそのまま撮影し 掲載します
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:42 No.779 ホワイトバランスはそのままだとさすがにきついので、見やすい程度に調整しています。
A1サイズの手作りパネルにS様奥様が活けてご持参されたお花が映えます
「波が掘った不可思議」 田野畑村 2010
*ネット解説 これは田野畑村の某所にある海食洞。 岩質は砂岩と思われますが、そんなことはどうでも良いと思えるくらい 不可思議な形を作り出しています
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:45 No.780 記帳机と案内文パネル。 お花は薪友からいただいた。 来場いただいた方にはもれなく浄土ヶ浜の写真カードをプレゼント。 このカードの写真は展示作品の一つです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:47 No.781 「悠久海岸」解説文
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:48 No.782 A1パネル以外は「ワイド四つ切」のフレームに収まるように プリントしています(用紙はA3) ペーパーは裏打ちを行い、額のガラス(実際は透明アクリル)を通すと大変見づらいので 外して裏側に納めています ネットでお伝えできないのはプリントの色合いやペーパーの質感です。 タイトルプレートもちょっとした工夫で壁面から1センチくらい浮かせています
「岩塊風化 つかの間の石像」 首崎/大船渡市 2010
*ネット解説 大船渡の旧三陸町、首崎(こうべざき)には風化途中のオブジェのような 花崗岩がたくさんあります。また、季節になると岬の斜面には ツツジが点々と咲き乱れて美しい光景が広がります
なお、「*ネット解説」は会場での表示はしておらず、この HP上でのレポートのために書き下ろしたもの、 「補足説明」は会場作品脇に掲示したものです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:50 No.783 「巣立ち、初飛行 連綿と」 大槌町 2010
*ネット解説 卵の時から観察していたミサゴの巣立ち。 営巣木は津波で流されましたが、どこか良い場所を探して 今も繁殖を繰り返しているかもしれません
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:53 No.784 「洞と岩 ともに波が作った」 田野畑村 2008
*ネット解説 海岸を丹念に歩くと、こういう海食洞も見つけることができます
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:54 No.785 「水は削り、運び、積む 白砂の来歴」 山田町 2010
*ネット解説 山田町織笠川の河口で潮干狩り(?)をする人たち。 この砂は太古の昔から底にそのようにしてあったわけではなく 山で岩に染みこんだ水が凍結と融解を繰り返して削られ、 川によって運ばれ、積み重ねられた。タイトルはそれを表現したものです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:57 No.786 「昔々海の底。 やがて陽の下」 釜石市 2006
(補足説明) チャートの褶曲 チャート岩は、深い海の底に長い年月をかけて降り積もったプランクトンの死骸でできています。 この地層が、海から陸に向かって押しつける地殻の力でしわになり、やがて地上にまで押し上げられたものと考えられます。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 21:58 No.787 「悠久と現在の対面」 広田崎/陸前高田市 2008
*ネット解説 構図的には解説不要と思いますが青空の中にポツンと見えるのは たまたま通りかかった小鳥です
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:01 No.788 「ここは地球」 広田崎/陸前高田市
*ネット解説 どうということもない花崗岩の原ですが、ヤマセのガスが流れてきて 「想像図」で見るどこかの惑星のような不思議な雰囲気になりました
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:02 No.789 「岩の上に広がる「今の生」」 山田町 2010
*ネット解説 これ、何ですか が多かった写真。 潮だまりの底にいるイソギンチャクを水面の上から撮ったものです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:04 No.790 「波が作った柔肌」 広田崎/陸前高田市 2009
*ネット解説 解説不要ですね
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:06 No.791 「岩の上 薄皮一枚の土」 首崎/大船渡市 2014
(補足説明) 地を這う根 鋭く狭い尾根は花崗岩でできています。 このような場所では土の層は厚く成長することはできませんが、それでもしがみつこうとする木々。 根は下に伸びることができないため、浮き上がった血管のように地表に露出しています。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:07 No.792 「断崖より」 田野畑村 2014
*ネット解説 ドローンで撮ったんですか と聞いた方が何人かいましたが 高い場所から普通に望遠レンズで撮ったものです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:08 No.793 「地下水、氷瀑となる」 岩泉町 2011
*ネット解説 海に面した崖の途中からちょろちょろとしみ出した水が凍って こんなすごい氷瀑みたいになりました。 誰でも車で入れる場所にありますが現在は崩落防止のネットが かけられ、この景色は見られません。 大津波1ヶ月前の撮影。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:09 No.794 「過去、ここに生きた証」 野田村 2009
(補足説明) 野田村玉川海岸のカキ化石 久慈層群玉川層という、中生代白亜紀後期(8500万年前)の砂岩の地層の中にたくさん 見られます。 現在生息しているカキとあまり違いがないため、これが大昔のものか、かえって不思議な気が します。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:10 No.795 「いつ浄土ヶ浜になったのだろう」 宮古市 2015
*ネット解説 夜明け前の浄土ヶ浜。 誰もがよく知っている構図ですが、時間帯と光線状態を選んだのが うまくいき、割と気に入っています 明るくなりつつある東の空から光芒が伸びているように見えますが ペーパーの反射のためです。 ご来場者の皆さんにお配りした写真カードも印刷の色調が悪くて 参りましたが、現物のプリントはうまくいっています
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:11 No.796 「月夜の立像」 唐桑町/気仙沼市 2008
*ネット解説 タイトルをよく読まずにスルーしてしまう人が多いですが 月明かりで撮ったもの。 背景右上に見えるのは北斗七星の一部です。 構図の作り方で大きな石像のように見えますが、実際は高さ2メートル程度の 小さなものです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:12 No.797 「動に映す静」 広田崎/陸前高田市 2009
もっともわけわからな感が大きかった作品。 磯溜まり=鏡のような水面に向こう側の岩と青空が映っていました。 遠くの方で波を受け、波紋が広がりました。 その、ゆらゆらと水面が揺らいだときに映っていた景色です
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:13 No.798 「この岩の連なりは、美」 田野畑村 2009
*ネット解説 北山崎の朝です。 普通、必ず写し込まれる穴が開いた大岩と海面をあえてカット。 望遠レンズで岩の連なりをクローズアップしてみました
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:14 No.799 「底の形が波のかたちを導く」 山田町 2009
*ネット解説 これは船越半島の漉磯(すくいそ)という場所で誰でも安全に行けるところです。 ここでは、このポイントだけ、波が穏やかでも爆発したみたいな 猛烈な波の跳ね返りが見られます 水底〜波がぶつかる岸壁面が寄せた波を一気に集めるような形をしている ものと思われます。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:16 No.800 「梅の花、否 海の花 ウミユリ」 田野畑村 2010
(補足説明) ウミユリの化石 「海」「ゆり」といっても植物ではなく、ヒトデやウニの仲間です。 なるほど ヒトデにどこか似ていますが、これは体のごく一部分。 ウミユリは ほうき を逆さまにしたような姿形をしていて、それがバラバラになって散らばったものです。 大きさは1センチにも満たない小さなものです。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:17 No.801 「まるで、陶」 久慈市 2009
*ネット解説 久慈の侍浜。 延々と花崗岩が連なる海岸。 切り取り方によっておもしろい絵柄になります
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:19 No.802 「潮、一瞬の造形」 岩井崎/気仙沼市 2008
*ネット解説 気仙沼の岩井崎というところに派手に潮を吹く場所があります これはちょっとしょぼいですが朝日をバックにするときれいです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:20 No.803 「水の底から差す朝日」 田野畑村 2013
*ネット解説 正面パネルに展示した海食洞は、下の方が外海とつながっていて、 向こう(東)側から日光が差し込むと、とても幻想的です
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:21 No.804 「静寂の湾」 大槌町 2009
*ネット解説 震災前の大槌湾です。ヤマセの曇りですが とても静寂感がありました
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:23 No.805 上写真 2008年12月 唐桑町/気仙沼市 下写真 2011年10月 津波による破断を 確認(矢印の割れ目が起点)
津波で破断した岩 解説
2011年の大震災/大津波の後しばらくして私は、それまで 5年間撮影して回った場所のその後を確かめに出かけた。 かつて賑わった街やうっそうとしていた松林がどうなったか、 今更引くまでもないが、陸中海岸の原形を形作る奇岩の林にはいささかの 変化もないことには、驚くほかなかった。唐桑半島、巨釜(おおがま)の折石は、 明治29年の三陸大津波で先端が折れた と案内板に書かれているが、 その尖塔状の細長い岩も今回の津波で変化が見られなかった。 そして続けて同じ半島の「半造」で見つけたのが、この石灰岩である。
この岩はたまたま、チューリップ形のおもしろさに惹かれて以前撮影していたのだ。 それが刃物で切り落とされたようにすっぱりと欠落してしまっていた。 前後の写真を比較するとどうやらもともとあった割れ目から破断したことがわかる。 おそらく津波が運んだ別の大岩が当たって破断したのだろう。
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:28 No.807 「ただ一つ、変わらないのは、見上げた空の色だろうか」 田老/宮古市 2015
*ネット解説 正面パネルの裏側は気づかないで過ぎて行ってしまう方が多かった。 夜明け前の空を大きく入れ、グラディエーションで構成したような作品。 水平線の上の赤みがかったところから一番上の濃い青のところまで 派手すぎず地味すぎず、雲一つなく色調だけが移りゆく様子が気に入っているのですが、 なかなかその感じをお伝えするのは難しいです
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:30 No.808 たくさんのお花をいただきました
Re: 写真展 遠野 2016 - Waka 2016/08/02(Tue) 22:31 No.809 ご来場された方はもちろん、贈り物、ご声援、そして 貴重な助言、本当にありがとうございました。
これでまた一段、大きさはわからないけれど、ステップアップ できた手応えがありました。
心より、今後もご支援、ご鞭撻、よろしくお願いいたします
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